さんじょーのブログ

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ノマドワーカーの雑多なブログです。

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絆型社会は「独裁」へと誘導する危険な逃げ道。プロジェクト型社会が真の平和と幸福を実現する。

よく絆社会という言葉をよく聞きます。仲間同士、絆を強くし、支え合うことが理想であり、尊いことだ!と信じる人達も沢山います。

しかし私は「絆社会は恐怖心と依存心から派生した保険型コミュニティ」という印象を抱きます。

絆型社会の特徴

同族間、地域間、所属する組織間といった特定のグループ内の人間同士が寄り集まり、共同生活を送ることで連帯感を維持し、いざという時、助け合える関係性を維持する。

例えるなら、教祖の元で共同生活を送る信仰宗教組織です。

メリット

特定の集団内に適応できている間は、サポートが受けられる。

デメリット

集団内の空気や序列を維持するために、個を押し殺して生活しなければならない時間が増える。

この絆型社会(集団主義)の対極にある、個人主義から派生する、プロジェクト型社会を私は推します。

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プロジェクト型社会とは?

  • 特定の属性のコミュニティ内での共同生活は送らず、互いに干渉しない。
  • 絆はないが、各個人が困っている時は、無償で他者が手を差し伸べる。

例えるなら、特定の目的意識を持つ者同士が一時的に集まり、互いに協力し合い、目的が達成されたら解散する、というプロジェクトチームです。

プロジェクト社会とは、道で大量のリンゴを落としてしまった人へ、とっさに周囲の人達が拾ってあげ、拾い終わったら、爽やかに手を振って離散していく、そんなイメージです。

「そんなことは理想論で、ただの綺麗事だ!何の縁も恩もない他人をサポートするお人よしなんているもんか!」

と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、個人主義が洗練されていけば自然とそういう社会になるのが、むしろ当たり前だと思っています。

個人主義とは?

個人主義は、その名の通り、個人を尊重する主義です。

集団的な暗黙のルール、慣習、社会的序列よりも、まずは個人の権利、意思を尊重します。

自分の権利はもちろんのこと、他者の権利も尊重するのが当たり前です。

絆型社会の危険性を指摘したエーリック・フロム

米国の精神学者エーリック・フロムは著書「自由と逃走」の中で、絆型社会を第一次的絆と説明しています。

個性化の過程によって、個人が完全に開放される以前の状態に存在するこれらの絆を「第一次的絆」と呼ぼうと思う。

 

それは人間の正常な発達の一部であるという意味で有機的である。

そこには個性は欠けているが、安定感と方向付けとが与えられている。

 

子供を母親に結び付けている絆、未開社会の成員をその氏族や自然に結び付けている絆、あるいは中世の人間を教会やその他の社会的階級に結び付けている絆は、この第一時的絆に他ならない。

   引用:自由への逃走【個人の解放と自由への多義性】

 

 

つまり、母親と子供、氏族・・という組織に依存することで生存していく代わりに自我と自由と放棄するのが第一次的絆です。

その後、子供が自立するようになると、第一次的絆の組織から離れます。

第一次的絆から卒業し、拘束と自我の抑圧から解放され、個人の主体性を確立していく・・という流れが人間の成長の過程です。

自由の先にある不安、孤独、責任

しかし、その過程の段階に入ると、多くの人が自由と自我の獲得の代償として、不安と孤独、責任に悩まされることになります。

 

しかし、その不安と孤独、責任という虚無感、重圧から逃れるために、人は再び不自由な第一次的絆に回帰することはできない、としています。

肉体的に母親の胎内に戻ることができないのと同じように、子どもも精神的にも個別化を逆行することはできない。

 

もしあえてそうしよとすれば、それはどうしても服従の性格をおびることになる。

 

しかもそのような服従においては、権威とそれに服従する子どもとのあいだの根本的な矛盾は、決して除かれない。

 

子供は意識的には安定と満足を感ずるかもわからないが、無意識的には自分の払っている代償が自分自身の強さと統一性の放棄であることを知っている。

 

このようにして、服従の結果はかつてのものとはまさに正反対である。服従は子どもの不安を増大し、同時に敵意と反抗を生み出す。

 

そしてその敵意反抗は、子どもが依存しているー依存するようになったーまさにその人に向けられるので、それだけでいっそう恐ろしいものとなる。

 

 

一度自立してしまい、自我に目覚めた人間にとって、再び束縛、自我の抑圧、不自由という第一次的絆には戻れないのです。

家族間の悲惨な事件が絶えない理由

親殺し、子殺しという悲惨なニューズが途絶えないのも、精神的に自立してしまった大人が(年齢に関係なく)、自由と引き換えの安定という目に見えない支配と自我の抑圧に苦しみ、限界に達したため起こることだと感じます。

 

双方が「もう第一次的絆は卒業すべき時」ということを無自覚でいると、親は子どもの自我と独立性を認めず、子どもは親への依存心と敵意という矛盾した気持ちを抱くことになります。

もし同居していても、お互いがその点に気づき、互いの自我と自由を阻害しないという配慮があれば、やっていけると思います。

独立した女性達が結婚に魅力を感じない理由

また女性の社会進出が進み、晩婚化が進んでいる、と言われているのも、第一的絆への不可逆性が関係していると感じます。

自立し、自由と自我、独立性に目覚めた女性達が、第一次的な絆である家制度に再び戻ることは難しいのです。

結婚制度は相互依存という前提のもとで成り立っていたもので、第一次的絆の中で特権的地位につける「家長」以外の成員は、服従と独立性の放棄が要求されます。

婚姻制度に対し柔軟な他の民主主義国家では、その点に配慮し、大人の男女に適した制度の追加も試みています。 

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では、どうすれば自由への代償としての不安と孤独、責任という重圧から逃れられるのか?

個別化した人間を再び世界へ結びつけるのに、ただ一つ有効な解決方法がある。

すなわちすべての人間との積極的な連帯と、愛情や仕事という自発的な行為である。

それらは第一時的絆とはちがって、人間を自由な独立した個人として、再び世界に結び付ける。

 

危険な逃げ道

その時、外の世界との自発的な繋がりが得られない時、人は国家や宗教という支配的な外界組織に従属することにより、安定を得ようとします。

これが独裁者達が用意した絆社会という「心の隙間を埋めるための逃げ道」というです。

しかし、個性化の過程をおし進めていく経済的、社会的、政治的諸条件が、いまのべたような意味での個性の実現を妨げるのであれば、一方では人々にかつて安定を与えてくれた絆はすでに失われているから、このズレは自由を耐えがたい重圧にかえる。

 

そうなると、自由は疑惑そのものとなり、意味と方向性を失った生活となる。

 

こうして、たとえ自由を失っても、このような自由から逃れ、不安から救い出してくれるような人間や外界に服従し、それらと関係を結ぼうとする強力な傾向が生まれてくる。

 

人々の、不安、孤独、責任、重圧から逃れたい・・という欲求がナチズムなど、独裁政権に付け入る隙を与える、とフロムは強く指摘しています。

 日本も危険な罠にかけられている

今の自民党の独裁政権戦略を見ても、まさに現代人の心の隙を虎視眈々と狙いあげた国民包括政策だと感じます。

 

つまり、行き場のない孤独感と重圧を抱えた(しかし第一次的絆にはもう回帰できない)自立した大人達の不安の逃げ場所として、国という組織に仕えることで虚無感を払拭させようという心理です。

絆社会、絆社会・・という言葉に、なんとなく胡散臭い印象を抱いていた人達はこういう臭いを嗅ぎつけていたわけで、鋭いと思います。

今、自民党は、第一次的絆を強化させ(家族主義絶対視)、人々の自立と自我の獲得を阻み、かつ、すでに自立した人々には国家という外界へ服従するように仕掛けています。

自立の先は国を超えた、個人としての共同体

本来は、自立の先には、社会全体の中の「個人」としての共同体、という方向へ行くのが健全な流れだと思います。

この流れはルネッサンス期などに発展しかけましたが、宗教戦争という政治的要因に阻まれる形で中断されました。

現代はAIの普及、進化、社会インフラの発展等、プロジェクト型社会を支える土台は整っています。

 

つまりどこかの組織に統括されるのではなく、市民一人ひとりが自立した自発性を持ち、家族や組織という絆を超えて支え合う社会です。

 

しかし、外界からの妨害により、個人の自立と自由意志を阻む政策がなされた場合、先にあげたナチズムへ人々を誘導する危険な逃げ道が設定されてしまいます。

今、国は個人を抹殺し、人々を国民という単位に包括し、国に仕える民という軍国主義を再び復活させようとしています。

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絆型を卒業し、プロジェクト型へ・・という社会的進化の過程で、思わぬ誘惑の手が差し出されている状況です。

日本が先進国として進化していくか、没落していくか、は今後人々が

  • 独裁者(国)に家臣として服従するか
  • 個人(絆を超えた国民同士)個人として尊重し合うか

どちらの選択をとるかにかかっていると感じます。

その時重要になるのは、個人の精神的自立と経済的自立だと感じます。

長すぎるので次回へ続きます(;´д`)スミマセン

 

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